【山本隆三の快刀乱麻】途上国の将来奪う石炭への逆風 「より良い生活」への機会失う (1/4ページ)

インドネシア・カリマンタン島の炭鉱(ブルームバーグ)
インドネシア・カリマンタン島の炭鉱(ブルームバーグ)【拡大】

  • 石炭火力事業に損害保険を提供しないと発表したドイツ・アリアンツのミヒャエル・ディークマンCEO(ブルームバーグ)
  • BHPビリトンのアンドルー・マッケンジーCEO(ブルームバーグ)

 インドネシア・カリマンタン(ボルネオ)島の赤道直下の街、ボンタンの近くで炭鉱開発が行われ、筆者はその投融資に関わっていたことがある。真夏の日本からボンタンを訪れると、日本より快適に感じることが多かった。赤道では気温が1年中30度ほどと、真夏の日本より気温も湿度も低かった。今年のような異常な猛暑が続くと、日本を抜け出しカリマンタン島に出かけたくなる。

 石炭は燃やしたときの二酸化炭素(CO2)排出量が多いため、炭鉱は一部金融機関などから投融資の打ち切り対象になっている。カリマンタン島の炭鉱に出かける日本のビジネスマンも今後減っていくのだろうか。いま、多くの機関投資家や金融機関は、石炭の産出事業者、石炭を利用する発電事業者を投融資対象としてふさわしくないとみている。パリ協定が世界に低炭素化、脱炭素化を求める中、将来、事業リスクが高まるとみているからだ。

 欧米から始まったこの動きは、日本の機関投資家、金融機関にも広がりつつある。7月24日付の朝日新聞は、三井住友銀行などの3メガバンクが石炭火力発電への投融資を厳しくする方向にあると伝えた。4月には日本生命保険が、環境・社会・ガバナンスを重視する「ESG投資」の枠を増やす一方、石炭火力発電所への新規融資の停止を検討中と報道された。さらに5月には、第一生命保険が石炭火力向け融資を見直すと伝えられた。

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