「出口戦略」、収益悪化など“副作用”に配慮 自民総裁選候補者討論会

 安倍晋三首相が日銀の異次元緩和の「出口戦略」に言及したのは、低金利が長期化し、金融機関の収益が悪化するなどの“副作用”に配慮したとみられる。ただ、緩和縮小で金利が急上昇すれば、景気が冷え込む恐れもある。

 異次元緩和を始めた背景について、安倍氏は当時、円高の影響による企業の倒産や雇用の冷え込みといった厳しい状況があり、「拱手傍観していいと思わなかった」と説明。

 政府・日銀が掲げた「2%」の物価安定目標は、デフレ脱却に向けた「一つの指標として目指す」としつつ、「本当の目的は実体経済、つまり雇用を良くしていくことだ」と話した。

 異次元緩和の効果については、個人消費や設備投資が持ち直し、経済が成長軌道に乗ることにつながったと強調。どう「出口」を進めるかは、「私がどうこう言えば市場が反応する」と述べるにとどめた。

 このほか安倍氏は来年10月の消費税率10%への引き上げに関し「予定通り引き上げたい」と明言した。

 一方、安倍氏との討論に臨んだ石破茂元幹事長は、アベノミクスに関し「東京や大企業の成長の果実が、地方や中小企業に波及するわけではない」と批判。ただ、安倍政権が打ち出してきた地方・中小関連の政策に代わる具体策は示さず、安倍氏との違いはアピールできなかった。(山口暢彦)