H2Bロケットのバルブに異常、遅れは1週間以上 こうのとり延期で三菱重工業など会見

H2Bロケット7号機の打ち上げ延期を受け、会見する三菱重工業の二村幸基執行役員フェロー(左)=15日午前6時24分、種子島宇宙センター(草下健夫撮影)
H2Bロケット7号機の打ち上げ延期を受け、会見する三菱重工業の二村幸基執行役員フェロー(左)=15日午前6時24分、種子島宇宙センター(草下健夫撮影)【拡大】

  • 「こうのとり」7号機を載せたH2Bロケットの打ち上げが延期され、記者会見する関係者=15日午前、鹿児島県の種子島宇宙センター
  • 「こうのとり」7号機を載せたH2Bロケットの打ち上げが延期され、記者会見する関係者=15日午前、鹿児島県の種子島宇宙センター

 国際宇宙ステーション(ISS)への物資補給機「こうのとり」7号機を搭載したH2Bロケット7号機の打ち上げ延期を受け15日早朝、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が鹿児島県の種子島宇宙センターで会見し、ロケットの第2段のバルブに異常が見つかったことを明らかにした。原因は不明で、1週間以内の打ち上げは困難という。

 同日午前5時59分14秒の打ち上げに向け、燃料注入などの作業を進めていた同2時ごろ、第2段の液体酸素タンクのバルブの点検で、作動圧力が規定値より低いことが判明した。

 バルブは飛行中にタンク内の圧力が過大にならないよう、大気中に酸素を逃がすためのもの。タンクの圧力が保てず、飛行するとエンジンへの酸素供給が不足し打ち上げが失敗する状態だった。

 バルブを製造した愛知県内の同社工場に返送して検証する。設計の変更はなく製造工程も規定通りだったが、特異なことがなかったか詳しく調べる。

 同社の二村幸基執行役員フェローは「こうした事象は初めてで原因の推定はまだ難しい。やれる範囲の試験はやり尽くしていると思っており、かなり重大な課題を負った」と説明した。

 ロケットは15日中にいったん燃料を排出し、発射地点から組立棟に戻す見込み。二村氏は「打ち上げ失敗ではなく、その手前で防止できた。予定日にできず残念だが、最悪の事態は回避した」と話した。

 国産大型ロケットの技術的な理由での延期は昨年8月以来。H2Bと基本構造が共通するH2Aの35号機で、打ち上げの3時間前に異常が判明し打ち上げを1週間延期した。エンジンに関連するバルブの開閉に使うヘリウムが漏れ出していたのが原因だった。