【リーマン10年 識者に聞く】東京財団政策研究所主席研究員・柯隆(か・りゅう)氏 「一帯一路でグローバルリーダー狙う」 (1/2ページ)

東京財団政策研究所の柯隆主席研究員=東京都港区六本木(斎藤良雄撮影)
東京財団政策研究所の柯隆主席研究員=東京都港区六本木(斎藤良雄撮影)【拡大】

 --リーマン・ショック後に中国経済は急成長を遂げた

 「リーマン・ショックが起きた同時期に、偶然だが中国では2008年に北京五輪、10年に上海万博が開催され、高度経済成長の絶頂期へ向かった。さらに、08年11月に胡錦濤・前国家主席が4兆元(当時のレートで57兆円)の景気刺激策を打ち出し、世界経済の回復を中国が牽引(けんいん)した。中国はこれで自信を深めた」

 --世界経済における中国の存在感が一気に増した

 「世界から注目される存在になったメリットはあったが、4兆元の景気刺激策の大半が中国の国有企業に流れ込み、鉄鋼などの過剰生産をもたらした。その結果、米国などへのダンピング(不当廉売)輸出が横行し、米国の対中国の貿易赤字が拡大したことで、米中貿易摩擦の遠因となった」

 --中国の台頭が20カ国・地域(G20)など国際会議の機能不全を招いている

 「多国間主義に懐疑的なトランプ米政権が国連の分担金の負担軽減を訴えるなど、国際会議で米国がリーダーとして機能しなくなった。米国の後退に伴い、今は中国がグローバルリーダーを狙っている。その最大のツールが中国が提唱する巨大経済圏構想『一帯一路』だ。ただ、情報開示の透明性などが欠如しており、国際化を目指す中で軋轢(あつれき)やズレが生じている」

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