イタリアに“進出”したスターバックス カフェ文化の変質を見極めた? (1/3ページ)

重厚な建物にオープンしたスターバックスの前で待つ人たち
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【安西洋之のローカリゼーションマップ】

 イタリアとして初めてのスターバックスが、先週ミラノ市内・旧郵便局の重厚な建物のなかにオープンした。焙煎設備を用意した高級店で、普通のカフェの立ち飲みエスプレッソが1ユーロ周辺なのに対し、ここでは1.8ユーロらしい。

 「らしい」と書くのは、残念ながら自分では店に入って確認していないからだ。初日から店の前には行列ができていて、順番を待ってまでもしてスターバックスに入る気がしない(読者の皆さん、申し訳ないです!)。

 スターバックスの創業者は、その最初のアイデアをイタリアで得て世界中にチェーン展開したわけだが、イタリア人が自負するカフェ文化に入り込むにあたり、その敷居の高さから、スターバックスはイタリア進出を長い間、慎重に熟考するテーマとしてきたようだ。

 よって今回のスターバックスの進出は、さまざまな論議の対象になっている。スターバックスの商品が受け入れられるかどうかだけでなく、イタリアのエスプレッソ中心の習慣が変わるかどうか、カフェ(イタリア語ではバール)というコミュニティの場に変化をもたらすかどうか、などだ。

 ぼくはこの世界をじっくりと観察してきたわけでもないが、25年以上の生活のなかでカフェに関して、いくつかの変化を既になんとなく感じている。

 まず(エスプレッソをお湯で薄めた)アメリカンコーヒーを飲む人が増えている気がする。それは味の好みのバリエーションと時間をもたすため、という2つの動機があるのではないか。

 エスプレッソは1分もあれば飲みおわる。だから立ち飲みで良い。もう少し長く店に滞在してスマホをいじるのなら、エスプレッソでは不足だ。そこで水かアメリカンという2つの選択肢がでて、水ではなくアメリカンを選ぶ人も増えてきた。

コミュニティとしてのカフェの変貌