【中国を読む】慌ただしく動く財政・金融政策の変更 その狙いは (1/3ページ)

アント・フィナンシャルのエリック・ジンCEO。世界最大のMMF「余額宝(ユエバオ)」や電子決済サービス「アリペイ」を運営する
アント・フィナンシャルのエリック・ジンCEO。世界最大のMMF「余額宝(ユエバオ)」や電子決済サービス「アリペイ」を運営する【拡大】

 中国の財政・金融政策が慌ただしく動いている。一連の動きには、さまざまな背景があると推察されるが、頭の整理も兼ねていくつかの動きを書き出してみたい。近年の中国の財政・金融政策の狙いは、金融リスクの低減と景気下支えの両立に集約されるだろう。(三菱総合研究所・猪瀬淳也)

 理財商品取り締まり

 まず、金融リスク低減の面で、その中核にあったのは「シャドーバンキング」(理財商品)の問題だった。シャドーバンキングでは「暗黙の保証」が含まれるケースも多く、銀行のリスクが分かりづらい。このため、シャドーバンキングによる資金供給が厳しく取り締まられ、その代わりとしてリスクが明確にオンバランスされる債券による資金調達が増加した。

 また、不良債権問題も新たな展開がみられるようになってきた。中国の不良債権処理は、4大資産管理会社(中国東方資産管理公司、中国信●資産管理公司、中国華融資産管理公司、中国長城資産管理公司)が行うのが主である。

 だが、不良債権処理の加速を狙って、これらの資産管理会社への資本注入に加え、債権再構成、債権の株式化(Debt Equity Swap=DES)といった非伝統的な手法による処理も加速させている。

 一方の景気下支え策だが、これは主に米中貿易戦争に伴う経済的な打撃を軽減させることを主眼としたものである。

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