香港と本土つなぐ「大湾区」計画に課題多数 制度の違いが「障壁」、最小化に焦点 (1/3ページ)

広深港高速鉄道の西九龍駅では、毎日決まった時間に香港の旗と中国国旗が掲げられる(中国新聞社)
広深港高速鉄道の西九龍駅では、毎日決まった時間に香港の旗と中国国旗が掲げられる(中国新聞社)【拡大】

 香港と広東省を結ぶ「広深港高速鉄道」が23日に開業する。同高速鉄道は、香港と同省、マカオの一体的な発展を目指す「広東・香港・マカオ(粤港澳(えつおう))大湾区」計画の重要インフラだ。同計画は、米サンフランシスコや日本の東京湾などを見据えた一大経済圏を目指す。ただ、特別行政区を含む発展計画として課題も多く、香港住民からは懸念の声も聞かれる。

発展のチャンス

 同高速鉄道は、香港の西九龍駅から同省深セン市の深セン北駅を経て同省広州市の広州南駅までを最短48分で結ぶ。香港と中国本土をつなぐインフラでは、香港国際空港があるランタオ島から同省珠海市とマカオに通じる「港珠澳大橋」も、年内にも開通する予定だ。

 大湾区計画は、広東省の広州、深セン、東莞、恵州、仏山、江門、中山、珠海、肇慶の9都市と香港、マカオを一体的に発展させる。対象地域の域内総生産(GDP)は2017年で約10兆2200億元(約167兆4000億円)、人口は約7000万人弱。

 計画は、17年3月の全国人民代表大会(全人代=国会)で李克強首相が政府活動報告で発展計画制定の推進に言及したことで本格的に動き始めた。同7月に締結された枠組み協定では、国際的な科学技術・イノベーションハブの構築や現代産業体系の構築、居住、創業、観光に適した生活圏の共同建設といった項目が示された。

 それぞれの役割について広東は科学技術や先進的な製造業の基地構築、マカオは世界的観光レジャーセンターの建設推進、そして香港は国際金融・貿易の中心地としての地位向上などが挙げられた。

 香港は1997年の返還後、中国における外資導入の窓口となり、隣接する深セン市の安価な労働力を活用する「前店後廠(しょう)」方式で強みを発揮してきた。だが中国の賃金上昇や産業、技術力の向上により、2017年にはGDPで深セン市に追い抜かれた。

続きを読む