【現場の風】和食文化の保護・継承に創意工夫


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 □農林水産省食料産業局食文化・市場開拓課和食室長 五十嵐麻衣子さん

 --和食文化の保護・継承を目指す“Let’s!和ごはんプロジェクト”に乗り出した

 「和食文化はユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的にも普及が進んでいるが、国内では次世代に伝承されていないという課題がある。2017年に実施した『食育に関する意識調査』では、地域や家庭で伝統的な料理や作法を継承している国民の割合が37.8%にとどまった。プロジェクトでは、こうした状況の改善を目指している。特に、子育て世代をターゲットに官民一体となって“和ごはん”を食べる機会を増やしていく考えだ」

 --今後の取り組みや課題は

 「和食はヘルシーで健康に良いという半面、手間がかかるというイメージがある。そこで調理が簡単なレシピや商品、家電製品の開発も含めて取り組む。プロジェクトメンバーには、食品や流通、中食や外食の業者、レシピサイト運営会社、家電メーカーの参画を募っている。官民を挙げた取り組みで、忙しい子育て世代の和食づくりや和食を食べる機会を増やしたい。情報発信などに加え、和食に関係するイベントなども順次開催していく」

 --当面の目標は

 「東京五輪が開催される20年までに、地域や家庭で伝統的な料理や作法を継承している国民の割合を50%まで引き上げることが目標だ。将来の食の嗜好(しこう)の骨格となる味覚は、子供のうちに形成される。子供のうちから和食に親しみ、味や食べ方も含めて継承していくことが、和食文化の保護・継承につながっていく。ただ、女性の社会での活躍などもあり、子育て世代は多忙を極めているので、創意工夫で和食に取り組む環境を生み出す必要がある。食に関係する企業とともに、こうした課題の克服に挑戦し、併せて増加する外国人観光客にも和食文化を発信する機会にしていきたいと考えている」

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【プロフィル】五十嵐麻衣子

 いがらし・まいこ 1997年農林水産省入省後、食品流通局、国連環境計画への出向、大臣官房政策課、国際部、水産庁などを経て、2017年7月から現職。01年にハーバード大学法科大学院修士取得。東京都出身。