【高論卓説】リラ暴落問題の余波 米に不満の国々が「連合」形成 (1/3ページ)

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 国際ニュースは、潮の満ち引きと似て、情報が流れるときは放っておいてもどんどん入ってくるが、いったん止まると全く情報がなくなる。その「落差」をいかに埋めるかが、国際ニュース報道の腕の見せどころでもある。

 トルコの通貨・リラ暴落のニュースは、いっとき世の中を大いに騒がし、そして、あっという間に忘れられていったようだ。しかし、暴落騒ぎやエルドアン・トルコ大統領とトランプ米大統領の「口論」が一段落した後も、問題の余波は広がっている。

 リラの暴落直後、ちょうど私はイスタンブールにいた。目の前で、リラがどんどん落ちていく。通貨というのは、こんなにもろいものなのかと恐ろしくなる。滞在初日、両替商で1ドルは5.7リラだったが、みるみる間にリラの価値が削られ、1週間すると1ドルで6.5リラになっていた。

 ところが、政府によるメディアの統制が効いていることもあって、トルコ人は暴落にそこまで動揺していない様子だった。輸出主体の経済ではないこともあるだろう。この期間中に知り合った日本通のトルコ人からは「ノムラのリラ建て債券で大損した人たちがいたんだろう?」と逆に心配されてしまった。

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