インドネシア、大量高速鉄道が来春開業 ジョコ大統領の再選に追い風 (2/2ページ)

 もっとも、建設に際し、政治的・技術的な課題は少なくない。政府の提示額での土地買収に地主らが抵抗、数カ月計画が遅れた。また、9月28日にスラウェシ島が地震と津波で大きな被害を受けたように、自然災害国では鉄道の地下鉄と高架の部分が洪水や巨大地震に耐える設計にする必要があった。ジャカルタは市の4割が海抜0メートル以下で、毎年最大20センチ地盤沈下している。

 MRTプロジェクトでは、日本の国際協力機構(JICA)が第1、2期工事に20億ドル(約2280億円)強の長期低利貸し付けを行い、日本の専門技術が用いられている。40億ドル以上の規模が見込まれる第3期工事は多くの投資家に門戸が開かれる見通しで、サバンダル社長によると、米国や中国、欧州勢が関心を寄せているという。

 3月に開業するのは12億ドル規模のジャカルタMRT南北線第1期工事分で、総延長約16キロ、ジャカルタ南部の郊外から中心部までがつながる。この路線の1日当たりの輸送人数は17万人が見込まれる。鉄道運賃にはかなりの補助が出され、10キロ当たり8500ルピア程度になる可能性が高い。

 MRTは25年までに60駅以上、総延長112キロの開業を目指している。プロジェクト規模は総額70億ドルを超える見通しだ。ただ、サバンダル社長は「ジャカルタ市内の交通渋滞による生産性の喪失は年50億ドルと算出している。この問題を解決しなければ、毎年50億ドルずつかかる」と語った。(ブルームバーグ Karlis Salna)