政府税調、老後資金支える税制議論へ 2年かけ方向性

 政府税制調査会は10日、11カ月ぶりに総会を開いて議論を再開する。公的年金の給付先細りも予想される中、老後の生活資金を蓄える自助努力の支えとなるような税制の検討を始める。段階的に進めてきた所得税改革論議の仕上げとなり、安倍政権が目標に掲げた「全世代型社会保障」の一環にもなる。論点は多岐にわたり、2年ほどかけて方向性を探る。

 公的な国民年金や厚生年金を補完する制度には、さまざまな仕組みが併存している。給与天引きの財形貯蓄、小口の証券投資を優遇する少額投資非課税制度(NISA)、「iDeCo(イデコ)」と呼ばれる個人型確定拠出年金などだ。

 高齢化で各種の制度や金融商品の重要性は高まっており、政府は所得税の優遇措置などを用意している。だが、会社員か自営業かの就労形態の違いなどで利用できる制度や上限が異なるなど複雑だ。大企業に比べ中小企業や非正規労働者が不利な面もある。

 老後の糧となる退職金は現在、勤続年数が20年を超えると税額を計算する際に差し引ける額が拡大し、転職者が増える時代にそぐわないとの指摘がある。海外の例も参考に、政府税調は働き方による違いを薄め、公平で使いやすい制度の在り方を検討する。また、相続財産を引き継ぐ子供らも既にリタイアしている「老老相続」が増え、生活にお金がかかる現役世代への資産移転が進みにくくなっている。所得税だけでなく贈与税など資産にかかる税制を見直し、生前贈与を促す必要があるかどうかも議論する予定だ。