悪質残業なら書類送検、セクハラあってはならぬ…「労働施策方針案」全容、中小の監督強化 (1/2ページ)

 厚生労働省が作成した「労働施策基本方針案」の全容が7日、分かった。人手不足が指摘される中小企業、小規模事業所に対し、労働環境の改善を促しても是正しなかったり、過労死を生じさせたりするなど悪質な長時間労働があった場合は、書類送検などで厳正に対処することを明記した。今年度内に閣議決定する方針だ。

 基本方針案は、働き方改革に関して「企業文化や風土を変えることが必要」と強調するとともに、「正社員などについては依然として長時間労働の実態がみられる」と指摘する。長時間労働対策の推進や有給休暇の取得促進に向け、都道府県労働局が企業に働きかけを行うことを明確にした。

労働施策基本方針案のポイント

労働施策基本方針案のポイント

 労働基準監督機関は、長時間労働の事業者への監督指導を徹底させる。

 中小企業に関しては、大企業に比べて、労務管理の体制が十分でないことに加え、人材の確保や発注者との取引関係など困難な課題を抱えている実態を踏まえ、使用者に対し自主的な改善を促す。その上で「違法な長時間労働により重大な結果を生じさせたものなど重大・悪質な場合は書類送検を行うなど厳正に対処する」と明記した。中小企業は、短い納期の設定や発注内容の頻繁な変更に応えようとして長時間労働になる傾向がある。このため、商慣行の見直しや取引条件の適正化に向け、関係省庁が連携することも盛り込んだ。

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