テンセント株下落 記録更新 1月高値から38%、25兆円吹き飛ぶ

 香港株式市場に上場している中国IT大手の騰訊控股(テンセント)株が2200億米ドル(約24兆8700億円)規模の時価総額を失い未踏の領域に入っている。

 テンセントが今年失った時価総額は世界最多。1月高値から終値ベースで38%下げており、2004年の香港上場以降で下落幅が最も大きい。テンセント株はまだ底入れせず、カレンダーベースで259日間の下落傾向にある。9日は前日比1.7%安の293.80香港ドルと8日続落し、過去最長に並んだ。

 新規株式公開(IPO)から今年1月までで6万7000%余りのリターンを記録し、世界の大型株では群を抜いて良好なパフォーマンスだったテンセント株にとっては状況が一変している。ハイテク銘柄の高いバリュエーション(割高か割安かの評価)をめぐる世界的な懸念に加え、3月にはテンセントがマージンの悪化を警告。最古参の株主の一角も約110億ドルの株式を売却すると発表し、下げに拍車が掛かった。これに10年余ぶりとなる減益や中国当局によるゲーム規制が追い打ちをかけ、最近では中国経済の減速や人民元安も悪材料になっている。

 こうした中でもテンセント株に強気なのはセルサイドアナリストだ。ブルームバーグが対象とする49人のうち1人を除くアナリストが「買い」に相当する投資判断を付与している。今後1年の目標株価のコンセンサスは52%の持ち直しを示唆している。

 だが、このアナリストらは現在の大きな下げを予測できておらず、投資家は買いに二の足を踏んでいるのかもしれない。ブルームバーグの集計によると、最近の下落を踏まえても、テンセント株の株価収益率(PER)は今後1年の予想ベースで25倍。08年、11年の大幅下落後に底入れした際のPERは20倍近くだった。(ブルームバーグ Sofia Horta e Costa)