「合意なき離脱」 移動制限で経済大混乱 

 英国と欧州連合(EU)の離脱条件に関する協議がまとまらない状況が続けば、英国は2019年3月29日、EUの統一市場から移行期間なしに離れることになる。こうした「合意なき離脱」の場合、英国と残りの加盟国の経済関係に大きな混乱が生じることは避けられない。

 英国は現在、EUの一員として加盟国との間で自由なモノの移動が認められている。しかし離脱後はEU域内とのモノの移動に際して、通関手続きが必要となる。英仏間のドーバー海峡を結ぶ海底トンネルは年間150万台超のトラックなどが通行。通関手続きが行われれば数十キロの渋滞が生じるとも予想されている。

 また離脱後には自動車の運転免許や航空便の許認可などにも影響が及ぶ。さらに国際金融の中心地ロンドンで許認可を取っている金融機関がEU域内でサービスを提供できなくなり、企業が相場変動のリスク回避などに利用しているデリバティブ(金融派生商品)にも影響が及ぶ可能性がある。

 英国の中央銀行のイングランド銀行(BOE)は9日、EU離脱後も金融サービスを円滑に利用できるようEU側に対応を求める声明を発表した。