「中国は為替操作してない」 米財務省スタッフ、長官に報告

 米財務省が議会に4月と10月の年2回提出する為替報告書を準備する中、同省のスタッフがムニューシン長官に対して、中国が人民元を操作していないと報告したことが、関係者の話で分かった。長官がスタッフの結論を受け入れれば、米中貿易戦争のさらなる激化は回避され、新興国市場の懸念の一つが解消される。同長官が異なる結論を発表する可能性もある。

 関係者によると、トランプ大統領は中国を為替操作国に認定するよう、ムニューシン長官に対して公の発言に加え、内々にも圧力を加えてきたが、財務省スタッフはその根拠を見つけられなかった。中国を為替操作国に認定しても制裁や報復措置が発動されるわけではないが、米中間の緊張は一段と高まる見通し。

 関係者らは、為替報告書は来週公表される見込みであり、中国は巨額な対米貿易黒字を理由に引き続き監視対象国に指定されると述べた。

 報告の草案は中国が貿易不均衡の是正に取り組んでいないと批判を強めているほか、米国の競争的優位を損なわせる国として中国以外にも数カ国を名指ししているという。

 ムニューシン長官は11日のブルームバーグとのインタビューで、為替報告書に関するコメントを控えたものの、「元の下落をわれわれは懸念しており、通貨の競争的な切り下げとして用いられないようにしたい」と語った。

 米国が中国を為替操作国に認定した場合、米財務省は中国と直接協議を行うとともに、国際通貨基金(IMF)を通じた是正も目指すことになる。(ブルームバーグ Saleha Mohsin、Jenny Leonard)