ミャンマーで障害者の就業を日本が支援 IT分野の教育施設を新設

「難民を助ける会」の施設で、縫製工場などへの就職を目指しミシンなどの訓練を受ける障害者ら=7月、ヤンゴン(共同)
「難民を助ける会」の施設で、縫製工場などへの就職を目指しミシンなどの訓練を受ける障害者ら=7月、ヤンゴン(共同)【拡大】

 経済発展が進むミャンマーで、社会進出が遅れていた身体障害者の就労支援に日本の民間団体などが取り組んでいる。携帯電話の普及で技術者のニーズが高まるITや、主要な輸出産業の縫製といった分野で職業訓練を実施し、障害者の「社会に取り残されたくない」との思いに応える。

 東京のNPO法人「難民を助ける会」は2000年から障害者の職能訓練施設を最大都市ヤンゴンで運営している。採寸・デザインからミシン縫製までの衣類製造工程を既に約1600人が学び、受講後の就業率も9割以上だ。

 幼いころの病気で足に障害が残る女性、メイ・バラニさんは2度目の受講。「働くことは楽しい。もっと学んで、より難しい作業をしたい」と意気込んでいる。

 ミャンマー政府の統計では、障害者は総人口5000万余の約5%。国内には障害を負った軍人向けの職業訓練校はあるが、一般向け施設は少なく雇用は進んでいない。

 難民を助ける会の中川善雄駐在代表によると、障害者は職探しが困難で、体力が必要な農業にも携わりにくく、地域社会で孤立しがちだった。だが、11年の民政移管に伴う経済開放で外資企業も増え、就業機会が拡大。働いて親孝行したいと考える若い障害者が増えた。

 日本財団(東京)は6月、スマートフォンの普及で活況のIT分野の教育施設を開設した。基礎的なソフトの使い方からアプリ開発まで教える。まずは障害者による指導者を育てる狙いで、講座を受講する聴覚障害者テ・イン・ティンさんは「働きたい仲間のためになりたい」と力を込めた。

 国際協力機構(JICA)も来年1月開催予定の企業に障害者雇用を促すためのシンポジウムを支援する。関係者は「日本のノウハウを活用したい」と話している。(ヤンゴン 共同)