災害時に便利 液体ミルク解禁も企業慎重 (2/3ページ)

 JPモルガン証券の角田律子アナリストは、政府は災害時の利便性を念頭に置いて液体ミルクを解禁しており、「乳児用ミルクの総需要の増加に寄与するものではない」と指摘。世界の乳児用ミルク市場でも液体ミルクは全体の1割ほどにすぎず、新たな設備投資が必要なためメーカーにとっては負担になると話した。しかし、各社は「社会的な貢献という意味で対応せざるを得ない」とみている。

 明治ホールディングス傘下の明治や江崎グリコは液体ミルクの発売には前向きだが、販売開始時期は未定としている。明治広報担当の亀井朋久氏によると、今後商品設計に取りかかり、それを踏まえて投資計画を練る考え。さらに厚労省や消費者庁の承認が必要なため、申請の準備も進める方針だ。江崎グリコ広報担当の青山花氏は、乳児が飲む製品のため通常の牛乳よりも細かい基準を満たす必要があり「異なる製造設備が必要」と述べた。

 森永乳業広報担当の渡辺光典氏によれば、同社の粉ミルクは100ミリリットル当たり約40円だが、海外での液体ミルクの価格は同200円弱~300円程度。製造ロットの少なさや物流費用を考えると、国内では同等かそれ以上の価格になるという。同社は「商品化に向けてさまざまな課題があり、引き続き検討が必要」との立場だ。

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