乳がん免疫療法に延命効果 ロシュ、臨床試験で初の証明

 スイスのロシュ・ホールディングの「テセントリク」が、最も侵襲性の強い型の乳がんの一部患者の生存期間を延ばしたことが臨床試験結果で示された。乳がんに対する免疫療法の効果が証明されたのは初めて。

 患者の腫瘍にある「PD-L1」と呼ばれるタンパク質の組織検査で、どのような患者がテセントリクの恩恵を受けられるかを示した。臨床試験でPD-L1陽性患者でテセントリクと化学療法を併用した患者の生存期間は平均25カ月と、化学療法のみより約10カ月長かった。

 がん免疫療法の利用拡大を目指す製薬各社にとり、今回の試験結果は手掛かりとなる。ロシュの医薬品事業部門責任者のダン・オデイ氏は、この患者グループ向けのテンセントリクの販売が、年間最大10億スイスフラン(約1130億円)の売り上げをもたらす可能性があると指摘。「このデータは本当に驚くべきものだ」と述べた。

 同試験にはいわゆる「トリプルネガティブ」乳がん患者902人が含まれた。トリプルネガティブ乳がんは若い女性がかかることが多く、腫瘍が広がった後の治療選択肢として主に化学療法が使われているが、効果は長続きしない。(ブルームバーグ Naomi Kresge、Tim Loh)