【経済インサイド】起業家育成、求人活動支援…様変わりする自治体のベンチャー支援 (2/3ページ)

「500コウベアクセラレーター」の応募者を対象にした説明会=7月30日、東京都渋谷区
「500コウベアクセラレーター」の応募者を対象にした説明会=7月30日、東京都渋谷区【拡大】

  • 福岡市は東京都内の博多ラーメン店で地元ベンチャー企業への就職を呼びかけるイベントを実施。高島宗一郎市長は参加者と福岡の魅力について語り合った=8月21日、東京都港区の一風堂浜松町スタンド
  • 福岡市は東京都内の博多ラーメン店で地元ベンチャー企業への就職を呼びかけるイベントを実施。高島宗一郎市長自らが福岡の魅力を参加者にアピールした=8月21日、東京都港区の一風堂浜松町スタンド
  • 500コウベアクセラレーターの神戸での合宿最終日に実施された成果発表会=2017年10月、神戸市中央区

 昨年の成果発表会では、国内外のベンチャーキャピタル(VC)の投資担当者、大手企業の新規事業部門の担当者が数多く参加。終了後の懇親会では、資本提携や業務提携などを念頭において、起業家と名刺を交換する光景が見られた。多名部担当課長は「このなかから1社でも多くのベンチャー企業が神戸に本社を置いてもらえるようになれたら」と話す。

 ベンチャー誘致

 一方、24年9月に「スタートアップ都市を目指す」と宣言した福岡市もさまざまな施策でベンチャー企業の誘致に取り組む。昨年4月には廃校となった小学校を改装した創業支援施設「フクオカグロースネクスト(FGN)」が誕生。100社以上のベンチャー企業が共同オフィス(コワーキングスペース)の利用登録を済ませているほか、起業家同士交流できるラウンジには連日投資家との交流イベントを開くなど、「あそこに行けばきっと何かがつかめる」(福岡市創業・立地推進部の山下龍二郎・企業誘致係長)と、異分野との交流に必要な場所とのイメージを定着させた。

 29年には、会社設立5年未満の企業を対象に法人市民税を最大5年間減額する制度を導入するなど、ソフトハードの両面からベンチャー誘致に取り組む。その結果、無料通話アプリのLINE(ライン)やフリーマーケットアプリのメルカリといったIT(情報技術)系を皮切りに、人材サービスのサーキュレーション(東京都千代田区)やプレシャスパートナーズ(同新宿区)など、数多くのベンチャー企業が福岡に拠点を置くようになり、27年度の福岡市の開業率は7.04%で、全国21主要都市で最も高い水準となった。

 折からの景気回復もあり人手不足も深刻で、福岡地区の有効求人倍率はここ数年1倍を超えている。そこで福岡市は今年7月、人材サービスのビズリーチ(東京都渋谷区)と連携し、福岡市内の中小・ベンチャー企業の求人情報に特化した求人検索アプリを登場させた。山下係長は「ベンチャー企業だけでなく、働く人もいっしょに福岡に呼び込みたい」と意欲を見せる。

「実験の環境整備も行政として大切な仕事」