2025年万博建設費「指定寄付金に」 関経連、政府に要望

財務省幹部との意見交換会で発言する関西経済連合会の松本正義会長(右端)=5日午後、大阪市
財務省幹部との意見交換会で発言する関西経済連合会の松本正義会長(右端)=5日午後、大阪市【拡大】

 財務省幹部と関西経済3団体トップらの意見交換会が5日、大阪市内で開かれた。関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は、政府が大阪誘致を目指す2025年国際博覧会(万博)の会場建設費約1250億円のうち約400億円とされる民間負担について「経済界が資金を拠出しやすいよう『指定寄付金』扱いとし、(税制面の)環境整備をしてほしい」と述べた。

 企業が指定寄付金として拠出した全額は、法人税法上の「損金(費用)」と認められ、税負担軽減につながる。松本氏の要望に対して、同省の伊佐進一政務官は記者会見で「誘致を勝ち切るのが大前提。寄付税制を具体的に万博にどう使うかは、関係省庁と協議する中で方向性を決めていく」と述べるにとどまった。

 会場建設費の民間負担分について、関経連は各企業に負担を割り当てる「奉加帳方式」を軸に検討。誘致が成功した場合、官民による誘致委員会が日本万博協会に発展する見込みだが、関経連は「協会への資金拠出を指定寄付金と認めてもらいたい」との意向だ。

 指定寄付金は「公益目的の法人などへの寄付で、公益の増進に寄与し、緊急を要する特定の事業にあてられる」と認められた寄付金。全額を損金算入できるため、法人税の課税所得額を減らすことができる。05年愛知万博、20年東京五輪・パラリンピックでも適用されている。

 意見交換会には、関西財界から松本氏、大阪商工会議所の尾崎裕会頭(大阪ガス会長)、関西経済同友会の黒田章裕(コクヨ会長)、池田博之(りそな銀行副会長)の両代表幹事ら、財務省から伊佐氏、岡本薫明事務次官らが出席した。