【経済インサイド】「あきたこまち」が北海道に? 災害・気象で求められる食糧安全保障 (2/3ページ)

土砂崩れで被害を受けたミカン。農作物への被害も甚大だ=10月20日午前、愛媛県宇和島市(奥清博撮影)
土砂崩れで被害を受けたミカン。農作物への被害も甚大だ=10月20日午前、愛媛県宇和島市(奥清博撮影)【拡大】

 主食のコメも例外ではない。農水省は9月15日時点のコメ(水稲)の作柄状況を「平年並み」と発表した。ただ、それまでに収穫を終えていた田んぼは全体の約3割に過ぎない。

 あるJA全農関係者は「コメは実際に刈り取ってみないと出来が分からない。最近収穫したある地域では、前年より収量や質がかなり低下していた」と声を落とす。

 国産生乳の半分以上を支える北海道で地震と大規模停電が起きたことで、バターの供給不足懸念も再燃した。一時は道内39の乳業工場がストップし、2トンを超える生乳が廃棄されたためだ。

 バターはクリスマスシーズンに需要の最盛期を迎える。農水省は「業務用バターについては輸入品で対応し、国産生乳は家庭用バターに優先的に使う」として、消費者に冷静な対応を呼びかけている。

 「あきたこまち」の産地が北海道に?

 温暖化への対応も急務だ。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は10月8日、地球温暖化が今のペースで進めば、2030年にも世界の平均気温が産業革命前より1.5度上昇するとの試算を発表した。

 温暖化を防止する努力を続ける一方で、これからは気候変動にも対応した食料生産体制を整えることも重要な課題となってくる。

 「もしかすると将来、『あきたこまち』の産地は(気候変動の影響で)北海道になっているかもしれない」。農業政策に詳しい日本総合研究所創発戦略センターの三輪泰史氏はこんな問題提起をしている。

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