イタリア、市場に「政権崩壊」待望論 大衆迎合で支出拡大、債券利回り上昇

 イタリア政府が予算をめぐって欧州連合(EU)への抵抗を続ける中で、国債利回りの上昇に歯止めをかけて反転させるにはポピュリスト(大衆迎合主義者)政権が倒れるしかないとの見方が一部の投資家の間で浮上している。

 連立政権が支出拡大を決意しているため、イタリア債の利回りは欧州債務危機以降見られなかった水準まで上昇した。政府が対立姿勢を崩さない限り、市場からの圧力は高まり続けるだろうと、コメルツ銀行の債券戦略責任者、クリストフ・リーガー氏は話す。

 「今の段階では、政権崩壊が市場の主たる望みだろう」と同氏は述べた。前倒しの選挙になればイタリア政治は再び混沌(こんとん)とした状況に陥るだろうが、少なくとも財政に大きな負荷をかけるポピュリスト政策は実行されなくなる。世論調査は、選挙が行われれば企業寄りの「同盟」が第一党となることを示唆しており、「財政と経済へのリスクは同盟主導の政府の方が小さいだろう」とリーガー氏は述べた。

 また、アライアンスバーンスタインの運用者、ジョン・テーラー氏は、現政権は「最悪シナリオ」で、イタリア債にとっては「どんな政権でもこれよりまし」と指摘。同氏によれば、投資家はそんなに長く待つ必要はない。「イタリアでは最も安定した政権でもそう長くはもたない。左右両極端の連立など論外だ」と同氏は述べた。(ブルームバーグ John Ainger)