ボンバルディア5000人削減 ターボプロップ機事業を売却

組み立て作業中のターボプロップ機ボンバルディアQ400=カナダ南東部トロント(ブルームバーグ)
組み立て作業中のターボプロップ機ボンバルディアQ400=カナダ南東部トロント(ブルームバーグ)【拡大】

 カナダの航空機最大手ボンバルディアは8日、ターボプロップ(ターボジェットでプロペラを回転させる推進方式)機製造部門やトレーニング事業を売却し、約5000人の人員を削減すると発表した。人員削減はベルマール最高経営責任者(CEO)が2015年に就任して以来、今回が3度目。ボンバルディアは航空機開発に伴い債務が膨らみ、削減策を強化している。

 発表によると、ボンバルディアは「Q」シリーズのターボプロップ機部門やテクニカル・トレーニング事業などを、カナダのロングビュー・アビエーション・キャピタル(LAC)の子会社と乗務員訓練を手掛けるCAEに売却する。経費を差し引いた売却収入は約9億ドル(約1023億円)を見込む。取引は来年の後半までに完了する見通し。

 また、ボンバルディアは全従業員の約7%以上に当たる5000人を削減すると発表。これに伴い同社は21年までに年間約2億5000万ドルの削減を見込むが、来年、同規模の経費も発生する。

 発表を受け、自動車や通信など主要産業の労働者らで構成するカナダ最大の民間労組ユニフォーのケベック支部長、ルノー・ギャグニー氏は「とても悪いニュースだ。業界の将来について悲観的なメッセージを送っている。次の動き次第では先が見えなくなる」と話した。

 今回の事業売却により、ボンバルディアの商用航空機部門の縮小がさらに進み、自家用ジェット事業と鉄道事業を柱とした戦略が加速する。同社の第3四半期決算では、両事業の売り上げは全体の約88%を占めた。

 経営不振が続くボンバルディアは再建計画に注力しているが、キャッシュフロー見通しの悪化などから、同社の株価は約3年ぶりの大幅安となった。ベルマールCEOは、キャッシュフロー圧迫の原因として同社の鉄道部門での資金需要を挙げた。

 RBCキャピタル・マーケッツのアナリスト、ウォルター・スプラックリン氏は「資産売却で手元流動性が潤沢になったことで、ボンバルディアが目指す鉄道部門の少数株の再取得に一歩近づくことができる」と分析した。(ブルームバーグ Frederic Tomesco)