7~9月期GDP 実質年率1・2%減 2四半期ぶりマイナス成長

マイナス成長は2四半期ぶり。自然災害が相次いだ事に加え、個人消費や設備投資が低迷、工場の生産停止などで輸出が落ち込んだ
マイナス成長は2四半期ぶり。自然災害が相次いだ事に加え、個人消費や設備投資が低迷、工場の生産停止などで輸出が落ち込んだ【拡大】

  • マイナス成長は2四半期ぶり。自然災害が相次いだ事に加え、個人消費や設備投資が低迷、工場の生産停止などで輸出が落ち込んだ=大井埠頭(原田史郎撮影)
  • 記者会見する茂木経済再生相=14日午前、内閣府

 内閣府が14日発表した平成30年7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)速報値は、物価変動を除く実質で前期比0・3%減、このペースが1年間続くと仮定した年率換算で1・2%減だった。マイナス成長は2四半期(6カ月)ぶり。西日本豪雨や台風21号、北海道地震と自然災害が相次ぎ、個人消費や設備投資が低迷したほか、工場の生産停止などで輸出が落ち込んだ。

 項目別では、個人消費が前期比0・1%減と2四半期ぶりのマイナス。自然災害の影響で宿泊施設や飲食のサービスが減ったほか、野菜やガソリン価格の高騰も押し下げ要因となった。

 設備投資は0・2%減で、8四半期ぶりのマイナス。自然災害で部品メーカーが被災し、建設用機械への設備投資が滞った。一方、住宅投資は0・6%増と、5四半期ぶりのプラス。4~6月期に着工された新築住宅の工事の進捗(しんちょく)状況が反映された。

 輸出は1・8%減で5四半期ぶりのマイナス。自然災害による部品供給の停滞で自動車の輸出が減った。統計上、輸出に計上される訪日外国人客(インバウンド)の国内消費も関西国際空港の閉鎖などで振るわなかった。

 景気実感に近い名目GDPは0・3%減、年率換算で1・1%減と2四半期ぶりのマイナスとなった。

 内閣府は、家計の消費動向を正確にGDPへ反映させるため、12月10日に発表予定の7~9月期GDP改定値から、四半期ごとのGDPの推計方法を変更する。