進む中国株の実質国有化 リスク回避の一方、民間活力そぐ恐れ

上海証券取引所の前の通りを歩く女性ら(ブルームバーグ)
上海証券取引所の前の通りを歩く女性ら(ブルームバーグ)【拡大】

 中国においてどこまでが政府でどこまでが民間かを見極めるのは決して容易ではないが、本土株が値下がりする中でその境界線がますます曖昧になりつつある。

 ブルームバーグが届け出を集計したところ、非政府系の少なくとも47社が2018年に政府系の投資家に株式を発行もしくは売却することが、分かった。ここ数カ月はそのペースが加速している。多くの企業創業者は自社株を融資の担保として差し出しており、株価急落の中で株式担保をめぐるリスクが浮上。追い証の発生や銀行システムから排除される可能性に直面する中で、一部の企業家は公的資金受け入れ以外の選択肢がほとんどなくなっている。

 公的資金の注入は短期的にデフォルト(債務不履行)リスクを減らし幾つかの銘柄の値上がりにつながっているが、市場における今年の混乱に乗じて政府が民間部門の領域を侵害しようとしているのではないかとの懸念もアナリストの間で広がる。最近の流動性問題にもかかわらず、民間企業は過去40年にわたる中国の驚異的な経済発展の重要な原動力となっており、国有企業と比べはるか生産性が高いのが一般的だ。

 北京大君智萌投資管理のファンドマネジャー、リュ・チャンシュン氏は「国もしくは地方政府に関連する戦略的投資家と連携する企業が増えている。市場のリスクを打ち消す可能性があるため、現在の市場環境の下では良いことだ」と指摘した上で、「長期的には、そうした出資が終わるのかどうか、あるいはいつ終わるかをめぐり不確実性が高まる。政府系の投資家は一般的に十分な専門性を備えていない」と語った。