【高論卓説】9月入学へ本格的議論を グローバル時代の「ズレ」、変更は必須 (1/2ページ)

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 日本の学校の入学式は4月。桜の咲く季節に新たなスタートを切ることは、日本の文化として定着している。しかし、世界の主だった国は9月入学であることは周知の事実であろう。この日本との半年のギャップは、グローバル化が強調されるようになった昨今、かなりのマイナス要素が多い。日本人留学生にとっても、外国人留学生にとっても、半年のギャップ、すなわち「ズレ」は、一言でいえば、「使いにくい」制度であり、日本のグローバル教育がどんどん遅れていく要因ともなっている。

 例えば、日本の学生たちが留学するとなると、年度途中で渡航することになる。戻ってきたときも同じである。そのため、時期によっては大学入試や就職試験が受けられず、必然的に1年もしくは2年の遅れが生じる。大学に関しては、そのような不都合を解消するための9月入学制度が普及してきたが、就職については、通年採用をしていない限り、なかなか難しい。また就職試験を受ける時期を、致し方なく「待っている」だけなのに、その間は無職扱いとなり、経歴上不利が生じたという経験談は、海外での貴重な体験が、むしろ足かせになっている事実に驚かされた。

 日本も、明治時代に、欧米の教育に倣い、学制を定めたときは、9月入学であった。4月入学になったのは、諸説あるようだが、一つは、1886(明治19)年に官公庁が会計年度を4月から翌年3月にしたことから、学校や企業も順次これに合わせるようになったということである。1921(大正10)年には小学校から大学まで全て4月入学に統一されたようである。官公庁が4月を新年度とする会計年度を導入したのは、当時、年貢として納めていた米の収穫時期なども影響したという説もある。また、満20歳男子の徴兵検査を受ける届け出の期日が9月1日から4月1日になったことから、学生の身分であることを示すために、4月入学にしたという説もある。いずれも、決定的な理由であるかは不明だが、明確なのは、今、21世紀の2018年時点においては、これらはほとんど意味のない根拠であるということだ。

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