「臨財債」借換発行圧縮を…20日の経財会議で提言へ

 経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)の民間議員が20日の会合で、地方自治体が財源不足を補うため特例で出す「臨時財政対策債」(臨財債)の借り換え発行を圧縮するよう提言することが16日、分かった。地方税収の改善を背景に新規発行額は年々減っているが、借り換えの発行額は増えている。償還費用は全額、国が負担するため、民間議員は圧縮により財政健全化を進めたい考えだ。

 20日の会合は、地方の行財政の改革をテーマの一つとする。社会保障についても議論する。

 臨財債は、計画ベースの新規発行額が、直近ピークの平成22年度の5兆4千億円から30年度は2千億円まで減った。一方、借り換え発行額は22年度の2兆3千億円から30年度は3兆8千億円に増加。民間議員は自治体の自主的な取り組みで借金を減らすよう求める。

 公営企業や「第三セクター」の改革について、PFI(民間資金を活用した社会資本整備)を使うことや、これに対する国の支援を訴える。ICT(情報通信技術)、人工知能(AI)などを活用して自治体の業務を効率化し、サービス利用料の引き下げにつなげることなども求める。

 ■臨時財政対策債(臨財債) 地方自治体が特例で発行する地方債。元利償還金に相当する額は後年度、国が自治体の財源の不均衡を調整するために再配分する、地方交付税の金額の計算に使う「基準財政需要額」に算入する形で、国が全額を補填(ほてん)する。当初、平成13~15年度の3カ年に限る臨時措置で導入された。その後の自治体の財政状況などを踏まえ、現在まで措置が延長されている。