6日の米中間選挙は、トランプ大統領の与党、共和党が上院で過半数を維持し、下院では野党、民主党に逆転を許して敗れた。来年1月から「ねじれ議会」の下、民主党は大統領の弾劾訴追ができるという「武器」を手に入れる。ロシア疑惑の捜査が進む中、トランプ氏の弾劾はあるのだろうか。
民主党の指導者は投票前、「弾劾」という言葉を禁句扱いにしてきた。そこには、有権者があまり弾劾を求めていないという事情がある。
米NBCテレビの投票時の出口調査結果によれば「弾劾すべきだ」とした人は41%にとどまった。民主党支持者では78%が弾劾を支持したものの、無党派層では「弾劾すべきでない」が57%で、「弾劾すべきだ」の34%を大きく上回った。
民主党内では、弾劾を求める声が強いものの、むやみに弾劾を叫べば、無党派層や共和党支持者の取り込みにマイナスに働いただろう。
この姿勢は、投票後も変わっていない。米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、民主党のペロシ下院院内総務はCBSテレビで「われわれは、政治的目的で調査することはない。真実を求めるためだ」と述べ、モラー特別検察官の捜査を見守るべきだとの考えを示した。
そもそも米国で、大統領に対する弾劾はどのように行われるのか。