【経済インサイド】世界一の長寿王国、香港が狙う日本の健康ビジネス (2/3ページ)

シンポジウムであいさつする香港政府トップの林鄭月娥・行政長官=11月1日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ(香港貿易発展局提供)
シンポジウムであいさつする香港政府トップの林鄭月娥・行政長官=11月1日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ(香港貿易発展局提供)【拡大】

  • シンポジウムの分科会で健康長寿テクノロジーについて討論する香港の企業関係者ら=11月1日、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ(桑原雄尚撮影)
  • 健康長寿技術などの研究開発拠点となっている香港サイエンス・テクノロジーパーク(桑原雄尚撮影)

 1日のシンポジウムでも「ヘルシーエイジング技術の最新動向」というテーマで分科会が開かれ、香港の企業や研究機関の代表者らが健康長寿への取り組みを報告した。研究開発拠点の1つである「香港サイエンス・テクノロジーパーク」の黄克強(アルバート・ウォン)最高経営責任者(CEO)は、17年に香港政府が実施した高齢化対応技術への投資が1億2800万ドル(約140億円)に上っていることを紹介。「香港からはより広い地域に展開できるので、市場のポテンシャルは高い。ぜひ日本と連携を深めることにより、日本の技術を香港や中国に持ってきてもらいたい」と日本の企業関係者らに呼びかけた。

 一方、日本の健康長寿テクノロジーを香港に持ち込む上で障壁も少なくない。パナソニックの香港総代理店「信興グループ」の藤本佳司戦略ディレクターによると、介護用の電動ベッドを日本から香港へ輸出しようとしたところ、マットレスに高い不燃性を求められたほか、介護リフトにも積載重量の上限を日本の80キログラムから120キログラムまで引き上げるよう要求されたという。健康長寿関連の機器は身体に直接接触するものでもあり、日本と香港で細かな違いがあるのだ。

 藤本氏は問題解決のポイントを「信頼できるパートナー会社を香港に持つことだ」と指摘する。藤本氏が所属する信興グループは今年創業65周年で、長年にわたり香港でのパナソニック製品のマーケティングや宣伝、物流、販売などを一貫して担当しており、日本と香港の間に入って難しい調整を続けてきた。藤本氏は「信興グループのような会社があれば、日本企業も香港に出ていこうという気持ちになる」と強調する。

目玉政策を海外へ