D&Gキャンペーン動画騒動 不買運動に発展、中国の消費意欲減に拍車 (1/2ページ)

D&Gは騒動の原因となった動画を削除した(写真はロシアの店舗、ブルームバーグ)
D&Gは騒動の原因となった動画を削除した(写真はロシアの店舗、ブルームバーグ)【拡大】

 イタリアの高級ファッションブランド、ドルチェ&ガッバーナ(D&G)が中国で集中砲火を浴びた。中国人モデルがスパゲティを箸で苦戦しながら食べる同社のキャンペーン動画に対し、人種差別的で無神経だとの批判が噴出。複数の大手ショッピングサイトがD&G商品多数の掲載を取りやめるなど、不買運動に発展した。

EC各社が商品撤去

 電子商取引(EC)サイト「洋碼(ば)頭」は、D&Gの商品5万8000点の掲載を取り下げたことを明らかにした上で、「母国より大切なものはない」とコメント。EC大手の網易(ネットイース)は、同社のショッピングプラットフォーム「考拉(コアラ)」から全てのD&G商品を取り除いたと発表した。

 この騒動を受け、D&Gは上海で21日に予定していたファッションショーを見送った。有名人たちがショーに参加しないと表明したほか、モデルらが出演を拒否したとの報道もあり、開始の数時間前に延期が発表された。中国共産党機関紙「人民日報」はソーシャルメディア「微信(ウィーチャット)」に掲載した論評で、同国の文化観光省がショーの中止を通知したと説明。「中国を理解しようとしない者は、中国市場と中国の成長がもたらす恩恵を失うことになるだろう」と警告じみたコメントを掲載した。

 中国EC最大手アリババグループのショッピングポータル「天猫(Tモール)」では、英語と中国語でD&Gを検索しても商品が全く表示されず、アリババのライバルであるJDドットコム(京東)でも同様に探せなかった。

 今回の騒動は、世界の高級ブランド各社が成長の牽引(けんいん)役として中国への依存度を高めている最中に起こった。中国の消費者は昨年、高級品の購入に1000億ドル(約11兆3400億円)以上を費やしたが、これは全世界の高級品支出の約3分の1に相当する額だ。消費意欲の減退や米中貿易戦争を受けて中国人の高級品需要が低下するとの懸念から、10月には世界の高級品株が嫌気され、約1600億ドルもの時価総額が失われた。

 騒動の影響で、D&Gはブランドの広告塔となる人物や有名人からも見捨てられつつある。人気下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット」のショーに出演する中国人モデル、エステル・チェン氏は写真投稿サイト「インスタグラム」にD&Gのショー中止を支持するコメントを投稿。「中国の豊かさはその価値、文化、人民にある。私たちはそうしたものに敬意を払わないブランドに一銭も払うつもりはない」と述べた。

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