米中「休戦」、埋まらぬ溝 貿易戦争、双方が実利重視の“時間稼ぎ” (1/3ページ)

上海港から出航するコンテナ船。米中貿易戦争は一時、休戦となったものの、通商問題の全面的な解決に至っていない(ブルームバーグ)
上海港から出航するコンテナ船。米中貿易戦争は一時、休戦となったものの、通商問題の全面的な解決に至っていない(ブルームバーグ)【拡大】

 1日夜にアルゼンチンで開かれた米中首脳会談でトランプ米大統領と中国の習近平国家主席は、貿易戦争の「休戦」を申し出た。トランプ大統領は中国による米国製品の購入拡大と引き換えに、中国製品に対して予定していた関税率引き上げを3カ月間猶予することに同意した。株価下落や景気の先行きをめぐる警鐘に直面していた両首脳は今回の合意で一息つく時間を持つことができる。

 市場の懸念緩和

 緊張緩和は株式投資家にとって歓迎すべき安心材料だが、米中間の根本的な“溝”は依然として非常に大きい。技術移転の強要停止や知的財産権の保護、戦略的産業への国の補助終了など、中国に対する米国側の踏み込んだ構造改革要求をめぐって交渉は長期にわたり難航してきた。中国はこうした要求全てが自国の国際的台頭を阻もうとする米国の戦略と受け止めている。

 ラボバンクのアジア金融市場調査責任者、マイケル・エブリー氏(香港在勤)は米中貿易戦争の休戦について、「これが実質的な何かを意味するはずはないと考える。どちらの側も戦争の準備は十分に整ってはいないが、どちらも態度を変えることはないだろう」と指摘した。

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