【迫るTPP】(3)日本のコメ輸出量、急伸 利幅拡大が課題、生産者に温度差も (1/2ページ)

収穫を待つ輸出用のコメの田んぼの前に立つ寺沢和也さん=9月5日、新潟市西蒲区
収穫を待つ輸出用のコメの田んぼの前に立つ寺沢和也さん=9月5日、新潟市西蒲区【拡大】

 9月上旬の新潟市西蒲区。「ここが輸出用のコメの田んぼです」。寺沢和也さん(66)の指し示す先には収穫を待つ黄金色の稲穂が広がっていた。今年は収穫量の約1割が海外に渡る予定だ。寺沢さんのコメを輸出するのは農機大手クボタのグループ会社、新潟農商(新潟市)。2017年は日本全体の輸出量の16%に相当する1896トンを香港やシンガポール、モンゴルなどに出荷したトップランナーだ。

 農機を使う人に恩返しをしようと、輸出を始めたのが11年。当初はわずか36トンだったが、日本のコメの評価は海外でも高く、急速に伸びた。「今年は2500トンくらいを見込んでいます」と話すバトスヘ・オユンさんはモンゴル出身の女性だ。新潟大院に留学し13年に入社、現在は輸出担当の課長を務める。

 新潟農商は多くのコメを玄米のまま輸出し、現地で精米する。鮮度を大事にしているためだ。競合する中国産のコメは、精米から時間がたった古米も珍しくないため「日本のコメは新鮮でおいしいと知られるようになった」とオユンさん。近い将来には5000トンの引き合いが見込まれるという。

 コメの国内需要は年々落ちている。さらに今月30に発効する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や米国との新通商交渉を控えており、寺沢さんは「外国の安いコメが国内へさらに入るのは間違いない。特に外食や中食は国産とブレンドする」と予想、輸出などで販売先を増やすことが活路につながると考えた。

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