中国人女性に広がる海外での妊活 成長著しい中国市場、海外買収も (1/2ページ)

中国で産児制限の見直しに伴い、不妊治療市場が拡大していくことが見込まれる(ブルームバーグ)
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 生殖医療ビジネスに関わる企業にとって、中国が成長著しい市場となっている。体外受精や卵子凍結などを望む中国人女性が、自国ではそのような処置が受けられない、もしくは信頼性が低いとして海外で治療を受ける「不妊治療ツーリズム」は東南アジアから米カリフォルニアにまで広がりを見せる。

施設や胚培養士不足

 北京美中宜和婦児医院(アムケア)のリプロダクティブヘルス部門マネジャー、リ・ヤン氏は「中国は子孫を大切にする社会。子供を持つことは必要不可欠だと考えられている」と話す。アムケアは米投資会社ウォーバーグ・ピンカスの出資を受けており、政府が一人っ子政策を撤廃した2年前に体外受精に取り組み始めた。

 中国は不妊治療において施設や胚(はい)培養士が不足するなど外国勢に後れを取っている。さらに政府が多くの治療の対象を夫婦と卵巣がん患者の女性に制限しているため、独身女性や婚姻関係を結んでいないカップルは海外に目を向けるしかない。

 アムケアは競争力を高めるため昨年、初の海外買収案件として米ワシントンのクリニックを買収した。卵子採取や受精卵移植など米国で行う処置の準備を中国国内で進める体制を取り、患者の滞米期間が数日間で済むようにしている。

 中国で産児制限が廃止されれば、(出産年齢としては)高齢の女性が第2子以降の出産を望むケースも考えられる。そうなれば不妊治療ツーリズムにとってはさらなる追い風となる。調査機関の前瞻(せん)産業研究院によると、2016年に中国人が外国で不妊治療に費やした額は74億元(約1222億4800万円)に上った。国家衛生計画生育委員会の統計では、生殖機能に問題のある患者は16年に4000万人を上回ったという。

 上海に住む30代の起業家、アマンダ・シェン氏は、卵子凍結に踏み切った一人だ。シェン氏は今後数年間は家庭を持つつもりはないが、望んだときに妊娠できる可能性を高めるため、17年に卵子凍結を決心しロサンゼルスに向かった。国内では未婚女性の卵子凍結は認められていないが、「卵子凍結が女性にとって新たな時代の扉を開けた」とシェン氏は語る。

大きな商業的価値