【革新機構・世耕氏会見(1)】「本当に断腸の思い」 連絡室設置し来春までに混乱収拾 (1/2ページ)

産業革新投資機構の民間出身取締役の総退陣について、記者団に説明する世耕経産相=10日午後、経産省
産業革新投資機構の民間出身取締役の総退陣について、記者団に説明する世耕経産相=10日午後、経産省【拡大】

 官民ファンド、産業革新投資機構(JIC)の田中正明社長ら民間出身の取締役全9人が10日に総退陣を表明したのを受け、世耕弘成経済産業相は同日午後3時20分ごろから経産省内で報道陣の取材に応じた。冒頭の発言は次の通り。

 JICの立ち上げに際し、事務的に提示した報酬オファーを撤回するという事務的失態があり、田中社長をはじめとするJICの取締役の皆様に大変ご迷惑をおかけし、また、事態の混乱を招いたことを、改めておわびを申し上げたい。

 経産省としてはこの事務的失態に関してきっちりと非を認め、(嶋田隆)事務次官の処分、また私の給与自主返納などといったけじめをつけた上で、JICの立ち上げに関して生じた混乱の収拾に今日まで真摯(しんし)に当たってきたが、本日、田中社長ら9人の取締役が年内で退任する意向を表明されることとなった。

 田中社長をはじめJICの経営陣の皆様には、新たな組織の立ち上げにご尽力をいただき、また、国際的な人脈、ネットワークにつないでいただくなど、そのご功績には非常に感謝を申し上げているところだ。

 今回、JICの組織立ち上げの終盤に当たって、経産省の事務的不手際による報酬の問題に端を発して、ファンド運営についてのガバナンスのあり方など、経産省とJICとの間での認識のズレが結局埋まることがなく、その結果、田中社長をはじめとする取締役9人の辞任表明に至ったことは大変残念に思っている。

 この9人の方はそれぞれ知見、過去の投資分野での経験、特定の分野へのネットワーク・人脈を持っている方々であり、こういう方々が辞任せざるを得ない状況になったということは本当に断腸の思いだ。

続きを読む