外国人定着へ企業も工夫 映像マニュアルで伝授

外国人の戦力化について解説するイバイ・アメストイ社長=大阪市中央区
外国人の戦力化について解説するイバイ・アメストイ社長=大阪市中央区【拡大】

 政府が4月から外国人労働者受け入れを拡大することを受け、人手不足に悩む業界では採用を進める動きが進みそうだ。外国人雇用については文化や言語、習慣の違いから、社員が突然離職するケースも後を絶たないが、日本人とは異なる特性を生かして採用する企業もみられる。入社後の定着率上昇には、外国人が働きやすくやりがいのある職場環境を整えることが欠かせない。(中山玲子)

 ホテルや旅館を営む星野リゾートは、宿泊施設内でスタッフが担当する作業を2、3年前に映像でマニュアル化。その数は千以上に上る。一つのマニュアルは数分程度で、コップ洗いやベッドメイキングなどについて、各スタッフの仕事ぶりを分析し、最も効率よく終わらせた作業を選んで動画にした。

 同社人事グループの鈴木美穂氏は「日本人スタッフにとっても、分かりやすいマニュアルになった」とし、全体の仕事の効率化につながったという。

 社員約2700人を抱える星野リゾートには現在、4%程度の外国人が在籍する。「5、6年前までは外国人の離職率は高かった」(鈴木氏)といい、外国人受け入れのための環境整備に取り組んでいる。

 同社では、フロント、ベッドメイキング担当といった専門を置かず、トータルで仕事を学べるように複数の仕事を一人に任せる「マルチタスク」方式を取る。ただ、就職希望者のなかには特定の仕事に就きたいというケースもあり、入社後にギャップが生じないよう、マルチタスクをこなすスタッフの1日の仕事を動画で見せている。

 一方、スペイン人のイバイ・アメストイ社長が経営するゲーム関連の会社(大阪市)では、従業員約150人のうち7割近くが外国人。その出身国は20以上にのぼる。

 イバイ氏が外国人従業員の能力を引き出すために力を入れるのが、入社後のキャリアの提示。最近では日本人の若者でも企業側にこうした対応を望む傾向は強いが、外国人はさらに顕著という。就職試験で会社の成長戦略と合わせて活躍の場を示すことで、「仕事への姿勢が格段に良くなる」という。

 さらに、従業員の出身国・地域の特性に合わせた仕事の割り振りも採用。例えば米国人ならプレゼンテーション、東南アジアの人なら顧客対応が上手という。イバイ氏は「うまく特長を生かせば、すばらしい結果を出してくれる」と話す。