ジェトロ 2019年のBRICS経済を占う(3-3) 中国…積極的な財政政策 南アフリカ…真価問われる新政権 (1/3ページ)

南アフリカのヨハネスブルクで行われた第10回BRICS首脳会議でスピーチするラマポーザ南ア大統領=2018年7月27日(AP)
南アフリカのヨハネスブルクで行われた第10回BRICS首脳会議でスピーチするラマポーザ南ア大統領=2018年7月27日(AP)【拡大】

  • アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合で演説する中国の習近平国家主席=2018年11月17日、パプアニューギニアの首都ポートモレスビー(AP)

 2018年3月、世界に衝撃が走った。トランプ米政権が中国に対し、貿易赤字の削減に向け制裁関税を発動。米中貿易戦争が幕を開けた。その後、7月、8月、9月と米国は矢継ぎ早に追加関税を重ね、中国側も米国に報復措置を講じている。一方、ロシアはプーチン大統領が3月に再選され24年までの長期政権下で経済拡大を図る。19年もBRICSから目が離せない。

                  

 中国 積極的な財政政策で景気下支え

 「中国共産党が率いて切り開いた中国の特色ある社会主義の理論、制度、文化は完全に正しいものだ」。習近平国家主席は、12月に開催された改革開放政策40周年を祝う式典において40年間のさまざまな実績を掲げ産党の実施してきた政策を全面的に肯定した。

 一方、習主席が実績を誇った演説とは対照的に、足元の国内経済は下押し圧力に直面している。主要因は2018年の重点政策の一つとして実施されてきた金融リスク抑制のための負債率引き下げ措置とされる。その影響で中小企業のほか、地方政府のインフラ投資を支えてきた地方融資平台(地方政府傘下の資金調達機能を持つ会社)も資金繰りに支障を来した。

 これにより、17年は前年同期比20%増ほどで推移していたインフラ投資の伸びが18年1~9月には3.3%増まで下落し、実質国内総生産(GDP)成長率にも影響が及んだ。18年第3四半期(7~9月期)のGDP成長率は前年同期比6.5%で、金融危機後の09年第1四半期(1~3月期)以来の低水準となった。

 政府は、景気下支えを目的に中西部地域へのインフラ投資の増加策などを急ピッチで講じてきた。その結果、インフラ投資の伸び率など一部指標には改善がみられるものの、各機関は18年通年の成長率が17年の6.9%を下回る6.5~6.6%程度で着地するとみている。

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