大発会で相場急落 視界不良で冷えこむマインド、世界株安も懸念

大発会の取引で急落し、2万円を割り込んだ日経平均株価の終値を示すボード=4日午後、東京・八重洲
大発会の取引で急落し、2万円を割り込んだ日経平均株価の終値を示すボード=4日午後、東京・八重洲【拡大】

 東京株式市場は4日、最初の取引日となる大発会で日経平均株価が急落、2万円の大台を割り込んだ。米中貿易摩擦や欧州の政治不安など海外情勢の視界不良が続き、世界同時株安の懸念もくすぶる。今年は消費税率引き上げといったリスク要因もあり、昨年末に急落した相場が安定を取り戻すには曲折も予想される。

 東京証券取引所で開かれた大発会の式典。麻生太郎財務相や晴れ着姿の女性が取引開始を祝う鐘を計5回打ち鳴らし、取引活況を願って手締めをした直後、平均株価の2万円割れがスクリーンに映し出されると来場者から嘆息が漏れた。

 直接の下落要因は米アップルによる業績予想の下方修正と円高だが、大和証券グループ本社の中田誠司社長は「米政府機関の一部閉鎖や米中貿易摩擦など不安定な中で年末年始を迎えた」と投資家心理の冷え込みを指摘。野村ホールディングスの永井浩二グループ最高経営責任者(CEO)も「海外の不確実性に引きずられている」と話す。

 「米中摩擦が覇権争いとなると時間はかかる」(永井氏)との見方は多く、今年も世界の市場全体で不安定な動きが続きそうだ。SMBC日興証券の清水喜彦社長は「ボラタイル(値動きの激しい)な一年になる」と先行きを警戒する。

 注視されるのが消費税率10%への引き上げに向けた動きだ。政府はキャッシュレス決済に対するポイント還元策などの景気対策を平成31年度予算案に盛り込み悪影響を最小限に抑えたい考えだが、十分に機能させるには決済インフラ整備などが課題となる。

 5月の新天皇即位に伴い株式市場の長期休場が影響するとの指摘もある。歓迎ムードの一方、3月期決算企業の決算発表ピーク時期も重なり、休場明けの相場変動が拡大する可能性がある。4月の統一地方選や夏の参院選も結果次第では安倍晋三政権が不安定化し、市場心理の悪化につながる恐れがある。

 一方、年央から年末にかけては相場が反転上昇するとの意見も強い。米中貿易協議や英国の欧州連合(EU)離脱問題で方向性が見えれば、「市場の最も嫌う不透明要因が晴れてくる」(中田氏)とみられるためだ。日本株は企業の業績予想に対して大幅な割安水準にあり、清水氏は「一喜一憂することはない」と声を強めた。

(佐久間修志)