仮想通貨で出資、規制へ 金融庁が法令改正方針

 金融庁は、金融商品を手掛ける事業者が、現金ではなく仮想通貨で出資を募った場合も、金融商品取引法(金商法)の規制対象とする方針を固めた。金商法は無登録業者が「金銭」による出資を募ることを禁じているが、仮想通貨に関する記述はなく、法整備の遅れが課題となっていた。昨年には法の“穴”を狙い、約80億円相当の仮想通貨を無許可で集めていた問題も発覚しており、同種事案の再発防止を急ぐ。

 利用者保護や公正な市場をつくる観点から、金商法では金融商品を扱う事業者は内閣総理大臣の登録を受けることが義務づけられている。

 ただ、金商法には金銭での出資に関する規制しかなく、無登録業者が仮想通貨で出資を受けた場合、同法の規制対象となるかは曖昧だった。

 こうした現状を悪用したとされるのが、昨年11月に米国の投資会社「SENER(セナー)」への出資を募り、金商法違反(無登録営業)容疑で逮捕=同罪で起訴=された勧誘グループの男8人だ。月利3~20%をうたって計約83億円相当の出資金を集めたとされるが、9割以上が仮想通貨だったもようだ。

 警視庁は40~70代の男女9人から現金計約2900万円の出資を受けた容疑で逮捕したが、仮想通貨での出資については立件を見送った。関係者によると、全てが仮想通貨による出資であれば、摘発できなかった可能性もあったという。

 金融庁は2017年10月に仮想通貨で出資を募った場合でも「金商法の規制対象となると考えられる」との見解を公表しているが、法的な裏付けがないままでは刑事裁判での公判維持が難しくなる可能性もあり、規制対象となることを法令で明示することにした。

 具体的には金商法を改正することや、関連法令を見直すことなどを検討している。