世界経済、2.9%成長に減速 19年見通し 貿易摩擦激化で下方修正

世界銀行の経済見通し
世界銀行の経済見通し【拡大】

 世界銀行は8日発表した世界経済見通しで、世界貿易の伸び率を2019年は前年比3.6%とし、昨年6月時点から0.6ポイント下方修正した。18年も3.8%に引き下げ、17年の5.4%からブレーキがかかる。米中貿易摩擦が響き、輸出や製造活動の鈍化で「減速は想定以上に顕著だ」と指摘した。摩擦が「さらに激化する可能性がある」と警戒感を示した。

 これに金融市場の動揺も加わり、世界の実質成長率は19年を2.9%、20年は2.8%と0.1ポイントずつ引き下げた。日本は、自然災害で落ち込んだ消費の持ち直しや消費税率引き上げに備えた景気対策を踏まえ、19年は0.1ポイント引き上げて0.9%、20年は0.7%に上げた。

 米国は中国と互いの製品に追加関税をかけ合うほか、各国から輸入する鉄鋼などにも制限を課し、報復を招いている。こうした保護主義的な措置によって欧州やアジアの生産が落ち込み、国際分業体制にも「悪影響を与える」と懸念を示した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)による段階的な利上げが新興国からの資金流出を招き、投資や貿易の鈍化にもつながっていると説明した。

 主要国の成長率では、米国は19年を2.5%に据え置いた。利上げや大型減税効果の縮小で、20年は昨年6月時点から0.3ポイント引き下げ1.7%に減速すると分析した。中国は19年は0.1ポイント低下の6.2%、20年も同率を見込んだ。ユーロ圏は19年を1.6%とした。(ワシントン 共同)

【用語解説】世界的な貿易摩擦

 トランプ米政権が保護主義的な通商政策を進め、中国など世界各国と対立が生じている。米国は日本製を含む鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動し、欧州連合(EU)などが米国製品に報復関税を課した。米国は知的財産権侵害を理由に、中国からの輸入品に追加関税を課す制裁措置を昨年7月から順次発動し、中国が対抗。対象額はこれまでに米中合わせて3600億ドル(約39兆円)に上る。(ワシントン 共同)