忍び寄る景気後退の足音、貿易摩擦など先行き不安の声続出  (1/2ページ)

 日銀が10日発表した1月の地域経済報告(さくらリポート)では、米中貿易摩擦の長期化を受け各地の企業から景気の先行きを懸念する声が相次いだ。米アップルが中国での販売不振で業績予想を下方修正した「アップルショック」など、これまで不安材料にとどまった貿易摩擦の影響が実体経済に波及し始めており、好調な設備投資にも下押し圧力が強まる可能性がある。

 「中国向け電子部品は強気の発注が影を潜めた。貿易摩擦による不透明感の強まりが影響している」(東北の電子部品・デバイス)

 足元の堅実な業績とは裏腹に忍び寄る景気後退の足音におびえる企業は多い。日銀の黒田東(はる)彦(ひこ)総裁は10日の支店長会議で「(国内景気の)先行きは緩やかな拡大を続けると考えられる」と強調したが、額面通り受け取る向きは少ない。

 懸念されるのは海外経済の影響だ。年明けの株式市場を揺るがしたアップルの不振は国内部品メーカーにも打撃を与えており、日本工作機械工業会は平成31年の年間受注額が中国の景気失速で前年比約12%にとどまるとの見通しを示した。

 米中摩擦で世界の貿易取引は停滞が避けられない。世界銀行は8日発表の経済見通しで、今年の世界貿易の伸び率を前年比3・6%とし、昨年6月の予測値から0・6ポイント下方修正した。

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