中国の月面車「玉兎」、任務を実行

嫦娥4号着陸機のカメラが撮影した玉兎2号(中国国家航天局提供/中国新聞社)
嫦娥4号着陸機のカメラが撮影した玉兎2号(中国国家航天局提供/中国新聞社)【拡大】

 中国国家航天(宇宙)局によると、月の裏側への軟着陸に成功した無人探査機「嫦娥(じょうが)4号」の着陸機と月面車「玉兎2号」は分離された後、関連任務が計画通り行われている。

 嫦娥4号の着陸機に搭載された低周波電波観測装置の5メートルのアンテナ3本は予定通り展開され、ドイツ製月面中性子・放射線量探知機もテスト稼働。撮影された地形、地表の画像が地球に送られている。

 玉兎2号は中継衛星「鵲橋」と独立したデータ伝送ルートを確立し、環境感知や探査ルートの確認を終えた。月面を走行し、科学探査活動を行う。嫦娥4号の月探査レーダー、パノラマカメラも既に稼働し、探査活動に着手。その他の実験観測機器も順次、稼働する。

 嫦娥4号は月の昼にあたる時間の高温環境での試験を実施。玉兎2号は「休憩モード」に入り、10日にも再稼働する見込みとなっている。

 嫦娥4号は中国時間3日午前に月の裏側にある南極エイトケン盆地に着陸し、鵲橋を通じて月の裏側を近距離で撮影した画像を送信。同日夜、嫦娥4号着陸機と玉兎2号が分離された。(中国新聞社)