「国境危機」で予算通過訴え 米大統領、非常事態宣言はせず (1/2ページ)

メキシコ・ティフアナにある仮設避難所のテレビでトランプ米大統領の演説を見る移民ら=8日(AP)
メキシコ・ティフアナにある仮設避難所のテレビでトランプ米大統領の演説を見る移民ら=8日(AP)【拡大】

 トランプ米大統領は8日夜(日本時間9日午前)、メキシコ国境の現状をめぐり国民向けにテレビ演説した。国境警備の追加予算を議会に認めるよう求めたが、非常事態の宣言には至らなかった。メキシコ国境の壁建設をめぐって続く対立解消への新たな道筋は示されなかった。

10分間テレビ演説

 トランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室から約10分間のテレビ演説を行い、「唯一の解決策は、米国の国境を守り政府機関を再開させる予算案を民主党が通過させることだ」と訴えた。過去の大統領は、大規模な軍事行動の説明や危機時に冷静を呼び掛ける際にプライムタイムの国民演説を用いてきた。

 全ての米主要テレビネットワークで中継された今回の演説は、メキシコ国境の危機とトランプ大統領が呼ぶ問題への対応の一環。大統領は選挙公約の実行に努めていると支持者らに示すとともに、国民に直接話しかけることによって民主党に国境警備の追加予算を認めるよう求める圧力が強まることを期待している。トランプ大統領は「これは人道的危機だ。心の危機、魂の危機でもある」と述べた。

 演説終了後間もなく民主党のペロシ下院議長とシューマー上院院内総務は反論。トランプ大統領のメキシコ国境の危機という表現について否定的な考えを示した。

 ペロシ下院議長は「米国民を人質に取ることや、危機をでっち上げることをトランプ大統領はやめなければならない。そして政府機関を再開するべきだ」と語った。シューマー院内総務は、政府閉鎖で責任を問われるべきなのは大統領だけだと主張した。

 シューマー院内総務は「米国の民主主義はこのようなものではない。われわれはかんしゃくに支配されない。テーブルをたたいて、自分の要求が通らなければ政府閉鎖を行うなどと要求し、多くの国民を利用して害をもたらすのは大統領としてあるまじき行為だ」と非難した。

「不道徳は反対派」