印での価格、他国より安く イケア、地域特性配慮の品ぞろえも

イケアが2018年8月にインドで初めてオープンした店舗の家具売り場=ハイデラバード(ブルームバーグ)
イケアが2018年8月にインドで初めてオープンした店舗の家具売り場=ハイデラバード(ブルームバーグ)【拡大】

 インド初の店舗をハイデラバードで2018年8月にオープンした家具世界大手イケア(スウェーデン)は、現地の生活事情を踏まえた価格設定により、中国での失敗の轍(てつ)を踏まない戦略を展開している。

 インドの現地紙タイムズ・オブ・インディアによると、イケア・インドは地域化と競争力のある価格の2つに重点を置く。インドで取り扱う7500品目は、他の国よりも手頃な価格で販売している。イケア・インドのサイトによると、「フリーヘーテンのソファベッド」の表示価格は3万7500ルピー(約5万7300円)だが、英国では約4万3000ルピーで販売されている商品だ。

 食器類も同様に地域特性に応じた価格戦略を展開している。インド人の食事は基本的に手かスプーンを使う。フォークを使うことはほとんどない。イケア・インドでは子供用のナイフ、フォーク、スプーンセットに代わって、安価な4色のスプーンを売り出している。

 イケア・インドの企画戦略担当、アミタブ・パンデ氏は「インドではより低コストで多くの製品を販売している。利益率は下がるが販売量は増加する」と語った。パンデ氏は米飲料大手ペプシコで15年近くの勤務経験があり、イケアのハイデラバード店オープンを前にインド全土を1年半かけて回り、1000戸以上の家庭調査を行ったという。

 イケア・インドのパトリック・アントニー副代表は「西側先進諸国と違って、インドでは調理優先を念頭に入れ、インド専用の薄焼き銅板、ライスボウル(茶わん)、蒸し器などの販売を始めた」としている。また、イケアは先進国市場では顧客が家具を組み立てる方式で事業を展開しているが、インド人は組み立てに慣れていないことから、地場企業のアーバン・クラップと提携し、購入後の組み立て代行サービスも手掛ける。

 イケアによれば、インドの生活様式は地域によって異なるうえに、家庭の子供たちが個室を持つことはめったになく、親と同室で寝ることが多い。イケアは子供が15歳になるまでサイズを伸ばせるというベッドを販売している。インドでは、顧客ニーズに合った品ぞろえなどの地域化戦略が市場を勝ち抜く重要ポイントであるようだ。(ニューデリー支局)