中国、瀬戸際の景気対策 刺激策不可欠も余力乏しく大規模財政出動困難 (1/2ページ)

中国・上海の中心街。中国政府は景気下支えに躍起になっている(ブルームバーグ)
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 中国が景気の下支え策を相次いで打ち出している。米国との貿易摩擦を主因に経済成長が急落する可能性が強まっているためだ。ただ、大規模な財政出動を行うほどの余力はなく効果は不透明だ。市場関係者らは今月以降発表される国内総生産(GDP)統計を注視している。

 国営の中国中央テレビ局(CCTV)は9日、李克強首相が同日主宰した国務院常務会議で中小企業への与信と税負担軽減策の詳細が決定したと伝えた。今後3年間にわたり、小規模・零細企業を対象に、年2000億元(約3兆1800億円)規模の減税を実施。企業所得税や増値税(消費税に相当)、その他の法人関連の税負担を緩和する。

3兆円超の減税

 政府の発表に先立ち、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は同日、小規模企業などに的を絞った新たな中期貸出制度「MLF」を月内に開始すると発表した。同制度の実施は最長3年間とする。

 米中貿易摩擦などの影響を受け、中国で最近発表された経済指標は1~3月期の成長が急減速する可能性を示唆している。

 中国株の低迷による資産効果剥落で個人消費が冷え込んでいる。それを象徴するのが世界最大の自動車市場の縮小だ。

 全国乗用車市場情報連合会(乗連会)が9日発表した昨年の自動車販売台数は前年比6%減の2270万台と、約20年ぶりに前年割れとなった。貿易摩擦や中国株の低迷が買い控えにつながった。中国政府は販売を回復させるため、需要喚起策を講じる準備を進めている。

 消費の冷え込みを背景に物価も下落している。中国国家統計局が10日発表した12月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比0.9%上昇と、前月(2.7%上昇)に比べ大幅に鈍化した。鈍化は6カ月連続で、2016年後半以来の低水準を記録した。

 米金融大手シティグループは同日のリポートで、このまま物価下落が続けばデフレのリスクが高まると指摘。米連邦準備制度理事会(FRB)が先行きの追加利上げに慎重な姿勢を見せているため、人民銀行は金利選好による資本流出を気にする必要がなくなり、利下げを行う余地が拡大していると分析した。

 人民銀は今年、市中銀行の預金準備率をさらに引き下げる一方で、銀行間の借り入れコストを微調整しほぼ安定的に維持すると市場関係者はみている。

収入伸び鈍化を懸念