米政府機関閉鎖、IPOに影響 SECが発行承認停止で懸念高まる

ワシントンにある証券取引委員会の本部(ブルームバーグ)
ワシントンにある証券取引委員会の本部(ブルームバーグ)【拡大】

 2019年は米国での新規株式公開(IPO)件数が過去10年で最多になるとみられていた。しかし、米政府機関閉鎖によりその期待が裏切られる可能性が出てきた。

 米配車大手のウーバー・テクノロジーズとリフトはともに米国でのIPOのための書類を昨年12月に非公表の形で提出。関係者によると、政府機関閉鎖で上半期を目指していた両社のIPOは遅れる公算がある。IPOの最終結果について、証券取引委員会(SEC)の業務再開までの期間やIPO実施の際にどの程度フィードバックがあるかによるが、現時点で両社ともSECから何の通知も受けていない。両社の広報担当はコメントを控えた。

 トランプ米大統領はこれまで、SECのクレイトン委員長に対し、規制緩和と企業のIPO推進を最優先で求めてきた。しかし、大統領は現在、民主党がメキシコ国境の壁建設の予算を認めない限り政府機関の閉鎖を続ける構えで、閉鎖の間、SECは株式発行を承認できない。

 銀行や証券会社の弁護士からは既にIPOが先送りされる状況に不満がでており、SECの閉鎖によって資本調達計画を延期せざるを得ない企業も増えている。政府機関閉鎖に伴い「米国株式会社」に影響が及んでいる状況は、経済成長を自らの政策の成果と繰り返す大統領にとって由々しき事態だ。

 株・債券発行の助言を手掛けるJMPグループの共同創業者、カーター・マック社長は「IPOについては、多くの企業が1~3月期に計画している。SECは有効期限切れの財務報告書を受け付けず、大きな問題が表面化し始めている」と指摘した。

 ホワイトハウスのウォルターズ報道官は、政府機関閉鎖がIPOに影響を及ぼしているとの見解に反論し、大統領は資本形成に関する規制改善を推奨し大きく前進させた。今のところ政府機関閉鎖がIPOに重大な影響を及ぼしている証拠はないと述べた。

 SECは発表資料で、政府機関閉鎖に先立って、株式発行計画の急遽(きゅうきょ)承認を求める旨でSECに連絡をとるよう各企業を促し、閉鎖前に10件以上の登録を承認したことを明らかにした。(ブルームバーグ Ben Bain、Eric Newcomer)