東日本大震災を通じて見えたSNSの有用性と行政の課題 福岡市、高島宗一郎市長の挑戦 (1/4ページ)

 「東京電力に協力したいのですが、不足電力200万キロワットは関東圏の方の節電でしか解消できないのです」

高島市長の公式Twitterアカウント

高島市長の公式Twitterアカウント

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。想定を上回る自然の猛威によって日本中が大混乱に陥る中、福岡市の高島宗一郎市長(44)のSNSを通じた情報発信が「的確」「分かりやすい」「参考になる」と一気に注目を集めた。

 高島市長は市長に就任するまでは、地元テレビ局でキャスターを務めていたということもあり、その職業柄“情報”に対する感度は人より高かい自負はあった。だが、SNSに関する知識やノウハウはあくまで一般的なレベルでしかなく、その点においては今でも変わっていないという。

 福岡市に参考にすべきSNS活用術が蓄積されていたわけでもなく、昔ながらのやり方を好む役所ではSNSのような新しいツールの導入はむしろ遅れていた。

 「このままでは魅力的な自治体づくりはできない」--。このように感じた高島市長は時代に乗り切れていない行政を目の当たりにし、改革の必要性を感じたという。これまで福岡市の運営にどのように取り組んできたのか。そのSNS戦略と合わせて話を聞いた。

 市長就任3カ月目の大災害

福岡市の高島宗一郎市長(撮影/北嶋幸作)

福岡市の高島宗一郎市長(撮影/北嶋幸作)

 「大震災が発生した時は市長に就任してまだ3カ月しか経っておらず、SNSの活用どころか市長としての日常業務にも慣れていない時期でした」と高島市長は当時を振り返る。

 震災後にSNSを確認してみると余震や被害状況、家族・友人の安否確認に関する投稿で溢れかえっていた。そこには悪質なデマ情報も多く混ざっており、混迷を極めた状況だったという。

 テレビを付ければほぼ全ての局が震災のニュースを取り上げていた。一見すると十分過ぎるほどの情報が事細かに報道されているようだったが、どれも同じような内容に偏っていたという。番組構成が視聴率を意識したつくりになってしまい、被害が大きいエリアや印象深いトピックなどばかりが報道されていたのだ。

「シンプルに」「正確に」