はやぶさ、コンテンツに魅力 無人機にも感情移入

 2月中旬に小惑星「リュウグウ」で初の物質採取を実施する予定の「はやぶさ2」の話題が連日報道やインターネットを賑わしている。平成22年に、はやぶさが小惑星「イトカワ」のサンプルとともに帰還した際も映画や多くの書籍が作られ一大ブームとなった。なぜ、小惑星探査はメディアの人気を呼ぶのか。背景には、遠く離れた宇宙空間を旅する無人探査機への「擬人化による感情移入」という日本人特有の気質があるようだ。

 前回のはやぶさを映画化した「おかえり、はやぶさ」(24年)の本木克英監督(55)は、メディアが関心を寄せる理由について「日本の技術の粋である」という点に加え、「はやぶさが無人であることも理由の一つ。宇宙飛行士を英雄視するより、無人探査機を擬人化して応援する方が日本人の性に合っているのでは」と指摘する。

 前回のはやぶさは相次ぐトラブルの克服や、サンプル採取の成果が不明だったことから、ネットなどで話題が集中。大気圏で燃え尽きる映像はテレビや動画サイトなどで繰り返し視聴され、ネット上には「お疲れさま」「お帰りなさい!」などとねぎらいのコメントがあふれた。

 はやぶさの劇的な経過は本木監督の作品を含む4本の映画として次々と公開された。書籍もプロジェクトを担当した川口淳一郎教授の『小惑星探査機はやぶさ』(中公新書)や学習漫画『小惑星探査機はやぶさくんの冒険』(集英社)など多数が刊行されるなど世間は“はやぶさフィーバー”に沸いた。

 元テレビ局プロデューサーで同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)は「はやぶさの持つ素晴らしいドラマ性をメディアは逃さなかった。はやぶさが失敗続きでなかったら、みんながはやぶさ2の活躍を期待する今の状況はなかったのでは」と話している。