【データで読む】ベトナム 高齢化を見据え社会保障改革へ

バイクで勤務先などに向かう市民ら。ベトナムは国民平均年齢が20代後半と若いが、2020年にも高齢化社会への突入が予想される=2018年9月、首都ハノイ(ブルームバーグ)
バイクで勤務先などに向かう市民ら。ベトナムは国民平均年齢が20代後半と若いが、2020年にも高齢化社会への突入が予想される=2018年9月、首都ハノイ(ブルームバーグ)【拡大】

 ベトナムは、国民の平均年齢が20代後半と若く、勤勉さや教育水準の高さに由来する質の高い労働力を原動力に、6%台の安定した経済成長を続けている。しかし、1980年代から子供の数を2人以下に制限するいわゆる「二人っ子政策」を続けてきたことや生活水準の向上に伴う長寿化もあり、今後、高齢化が急速に進む。65歳以上の高齢者が人口の7%を超えると高齢化社会とされるが、ベトナムでは、2020年にも高齢化社会に突入し、その後も急速に高齢化が進む見通しである。

 こうしたなか、今後は医療、社会保障制度の整備が求められる。ベトナムでは、病院の整備や医師の育成が遅れており、健康保険に加入していない高齢者も多いほか、年金基金への加入者は労働人口の2割程度にとどまるなど、公的年金制度の整備も不十分である。

 ベトナムでは、国営企業や公務員に対する財政支援が手厚く、歳出が膨らみやすいうえ、徴税システムが整っておらず歳入基盤も脆弱(ぜいじゃく)である。このため、財政赤字は足元でも国内総生産(GDP)比4%台半ばと高く、今後は高齢化による社会保障支出の増加も見込まれる。こうしたなか、政府は公的年金の受給率を30年に60%まで高める目標を掲げる一方、退職年齢を21年から段階的に、男性は60歳から62歳へ、女性は55歳から60歳へ引き上げることで、社会保障の拡充と財政負担の軽減を両立させる方針である。また、19年に健康保険や社会扶助制度の改革も始める計画で、今後進む高齢化を見据えた社会保障改革に着手している。(編集協力=日本政策投資銀行)