指標が示唆、クレジット市場に潜む怪物…米社債スプレッドが急拡大

 クレジット市場は一見したところ穏やかになっているが、その下には怪物が横たわっている。このため、リスクプレミアムを2年ぶりの水準に急上昇させるような相場急落に、オプショントレーダーが備えている。

 米社債の現物市場でスプレッド(利回りの上乗せ幅)は縮小し始め、大半の資産にとって厳しい一年の後に起きた株式の安堵(あんど)をもたらすラリーに追随している。だが、クレジット・デリバティブでは懸念が今も色濃く、スプレッドが急拡大する確率の高まりを指標は示唆している。

 北米企業125社のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が構成するマークイットのCDX北米投資適格債指数のオプションは、同指数が1.25%以上になる確率が9%あることを織り込んでいると、JPモルガン・チェースのアナリストらは指摘した。同確率は昨年11月にはわずか3%と示されていた。

 JPモルガンのアナリストは顧客向けリポートで、オプション市場が示唆する確率は「ますます裾の重い分布になっており、これはテールイベント実現に対する市場期待の高まりを示している」と指摘した。

 CDS指数オプションの取引は、金融危機に続く数年で急増したと言われる。投資家はこの時期、クレジット市場の広範な相場上昇をヘッジする便利な手段を求め、現物債市場の流動性が欠如しているとの不満を頻繁に漏らしていた。(ブルームバーグ Tracy Alloway)