中国の対米輸出入が減少 12月貿易統計、摩擦影響が本格化  

 【北京=西見由章】中国税関総署が14日発表した貿易統計によると、昨年12月の対米輸出は前年同月比3・5%減の402億ドル(約4兆3500億円)で、9カ月ぶりにマイナスに転じた。米国による追加関税発動を見越した駆け込み取引が一段落したとみられ、今後は反動でさらに落ち込む可能性がある。

 12月の米国からの輸入も同35・8%の大幅減となる104億ドルだった。12月初めの米中首脳会談では中国が米国産の農産物やエネルギー資源の輸入を拡大することで合意し、すでに中国側が米国産大豆の購入を再開しているが、輸入減に歯止めがかかっていない。

 輸出から輸入を差し引いた12月の対米貿易黒字は298億ドルで、前年同月比での伸び率は16・9%増。ただし過去最大の単月黒字を更新した11月と比べると、16・0%減少した。

 米国を含む貿易全体でも12月の輸出は4・4%減、輸入は7・6%減となり、米中貿易摩擦による中国経済への影響が本格化していることを示した。

 一方、2018年の通年でみると、対米輸出は前年比11・3%増の4784億ドルに拡大。輸入は0・7%増の1550億ドルにとどまり、18年の対米貿易黒字は17・2%増の3233億ドルだった。ロイター通信によると通年の対米黒字額としては過去最大となった。

 18年の貿易全体での輸出は9・9%増の2兆4874億ドル、輸入は15・8%増の2兆1356億ドルで、貿易総額は12・6%増の4兆6230億ドルだった。